ここ数年、空前のブームを巻き起こした多肉植物やアガベ(竜舌蘭)。その熱狂は冷めるどころか、より深遠で多様なマニアックな世界へと枝分かれしている。現在、目の肥えたボタニカル・フリークたちが熱視線を送るのは、自生地の環境を再現したグラキリスなどのビザールプランツ(珍奇植物)や、耐寒性に優れた小型の熱帯原生シダ類だ。
実生(種から育てること)で育てられた株には一つとして同じ形が存在せず、その「歪な美しさ」や「個性の強さ」が所有欲を刺激する。1株で数十万円の値がつく超希少品種も珍しくないが、小さな鉢の中で何年もかけて成長を見守る時間の贅沢さこそが、買い手にとって最大の価値となっている。