『Dr.スランプ』には、連載当時の裏話や、ギャグ漫画の枠を超えたSF的バックストーリーが多数隠されています。公式ガイドブックや当時の週刊少年ジャンプ関係者の回顧録によって明らかになった決定的な真相を紐解きます。
ガッちゃんの真の正体:地球を滅ぼす「神の最終兵器」
可愛い見た目で何でもバリバリ食べるガッちゃん(則巻ガジラ)。名前の由来は「ガメラ」と「ゴジラ」を足したもので、千兵衛が原始時代へタイムスリップした際に見つけた卵から生まれました。
しかし、物語終盤で明かされたその正体は、「神様が文明の暴走した危険な惑星(地球)を食い尽くしてリセットするために送り込んだ天使」でした。本来は1体で地球を滅ぼす任務を帯びていましたが、ある日まゆを作って自ら分裂し2体になったことで任務を忘れ、アラレと遊ぶ日常を選びました。有機物・無機物問わず金属やゴムまで何でも食べる異常な摂食能力(ただしゴムだけは消化できないという初期設定あり)は、星を食い尽くすための生態そのものだったのです。
鳥山明の誕生秘話:アラレは「1話限りのゲスト」だった
連載開始前、鳥山明氏が当初構想していた主人公は、あくまで大人の科学者である則巻千兵衛でした。第1話のプロットでは、千兵衛が作った女の子型アンドロイド(アラレ)は1回限りの実験作・脇役として登場する予定でした。
これに対し、当時の担当編集者であった鳥嶋和彦氏(のちの集英社専務取締役、Dr.マシリトのモデル)が「女の子を主人公にしろ」と強硬に指示。鳥山氏は「少年誌で女の子が主人公なんてウケるわけがない」と激しく抵抗したものの、鳥嶋氏の「じゃあ女の子を主人公にした回と千兵衛主人公の回を描き比べてみろ」という提案を受け入れ、結果としてアラレを前面に出したネームが圧倒的な面白さを発揮。伝説のメガヒット作品が誕生することになりました。
則巻千兵衛の驚異的な発明品一覧
千兵衛は普段スケベで間の抜けた失敗ばかり繰り返していますが、工学・物理学の観点からはノーベル賞を数十回受賞しても足りないレベルの超天才発明家です。作中に登場した主な発明品は以下の通りです。
- タイムスリッパー:目覚まし時計型のタイムマシン。過去や未来へ自由に時間旅行が可能。
- ホンモノマシーン:絵本や写真を投入すると、その物体が実物として飛び出してくる物質具現化装置。
- 変身ポンポコガン:銃口から光線を照射し、撃った相手を任意の物体や生物に変身させる銃。
- スケベスコープ:障害物を透過して衣服の中身などを透視できる特殊スコープ。
- オトコノン/オンナノン:飲むだけで肉体の性別を完全に入れ替える特殊薬品。