毒物と劇物の違いとは?どっちが危険?致死量・ラベル・身近な例で解説

毒物と劇物の違いとは?どっちが危険?致死量・ラベル・身近な例で解説

毒物と劇物の違いとは?どっちが危険?致死量・ラベル・身近な例で解説に関する気になる情報を徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。

抽象的な数値だけでなく、私たちが日常や産業活動の中で接する劇物と毒物 身近な具体例を知ることで、危険の実態はより鮮明になります。

身近に潜む「毒物」の代表格

毒物として最も知名度が高いのが、メッキ加工や金属熱処理などの工業現場で利用されるシアン化カリウム 毒物(通称:青酸カリ)です。成人の致死量はわずか0.15g〜0.2g程度とされ、体内の細胞呼吸を瞬時に阻害して死に至らしめます。そのほか、かつて農薬や毒殺事件で使われた亜ヒ酸(三酸化ヒ素)や、温度計や血圧計で用いられてきた無機水銀化合物、さらにはタバコから抽出される高純度ニコチンなども毒物に指定されています。

産業や暮らしを支える「劇物」の代表格

一方、劇物には化学工業や配管洗浄、バッテリーなどで大量に流通している物質が多く含まれます。自動車のバッテリー液や化学肥料の製造に不可欠な濃硫酸 劇物をはじめ、金属洗浄に用いられる濃塩酸、排水管の詰まりを溶かす強力洗浄剤の主成分である水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)や水酸化カリウムがこれに該当します。

劇物は致死量こそ毒物より多いものの、濃硫酸や苛性ソーダのように「皮膚に触れた瞬間に組織を重篤に破壊する」「目に入れば瞬時に失明する」といった局所腐食性が極めて高い物質が多数存在します。「毒物ではないから安心」などということは一切なく、人体破壊の物理的エネルギーという点では毒物以上に悲惨な外傷をもたらすケースも少なくありません。

頂点に位置する「特定毒物 一覧」の脅威

毒物劇物取扱法には、毒物の中でもさらに危険性が際立って高く、広範な被害を及ぼすおそれがある物質を定めた特定毒物 一覧が存在します。代表的なものとして、過去に野獣駆除などに使われ乱用が社会問題化した「モノフルオール酢酸ナトリウム」、猛毒農薬である「パラチオン」、有鉛ガソリンの添加剤であった「テトラエチル鉛」などが挙げられます。特定毒物は製造、輸入、使用のすべてが国家レベルで制限され、研究機関であっても許可がなければ所持すら許されない、国内最高峰の危険物質群です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。