役者が役柄に合わせて体重を増減させる文化はハリウッドで珍しくないが、日本の映画界において佐藤浩市ほど徹底して肉体をコントロールする存在は稀だ。今回の役柄は、過酷な極限状態を生き抜く歴史的悲劇の主人公。骨浮き出るようなリアルさを追求するため、彼は撮影開始の数ヶ月前から専門のトレーナーとともに炭水化物をカットし、有酸素運動を極限まで取り入れたという。
現場のスタッフからも「カットがかかるたびに倒れ込みそうなほどの気迫だった」と証言が漏れる。単に体重を落とすだけでなく、役に潜む孤独や苦悩を骨格から表現しようとする彼の姿勢は、現場の若手キャストやクルーを息をのませるに十分だった。