日本の睡眠研究は、今や世界をリードする水準にある。なかでも睡眠・覚醒の制御物質「オレキシン」を発見した筑波大学の柳沢正史教授らの功績は大きい。脳がどのようなスイッチで眠りと覚醒を切り替えているのかという根本的なメカニズムが解明されたことで、脳全体を抑圧する従来の睡眠薬とは一線を画す、より自然な眠りを誘うアプローチが可能になった。
こうした最先端研究の進展は、急速に拡大するヘルスケア産業にも多大なインパクトを与えている。高精度な睡眠計測ウェアラブル端末や、脳波データを活用した睡眠アプリ、環境を最適化するコンディショニング寝具など、市場には科学的知見を応用した多様なソリューションが登場。個人の睡眠改善を強力にバックアップする環境が整いつつある。