看板すら掲げない住宅街の隠れ家トラットリア。今回、厨房への特別潜入取材が許可された。出迎えてくれたシェフが仕込みの手を休めずに見せてくれたのは、まだ常連客にも明かしていない春の新作メニューだ。赤身の力強い旨味が特徴の上州牛スネ肉を、地元産赤ワインと香味野菜で6時間じっくり煮込んだ濃厚なラグーソース。そこに合わせるのは、毎朝手打ちされる極太の生パスタ「パッパルデッレ」である。
「ランチだからといって妥協は一切しない」とシェフは言い切る。これまでディナー限定のコースでしか提供されなかったスペシャリテが、平日の限定ランチセットとして試験的に登場するという。鮮烈なルーコラの苦味とパルミジャーノ・レッジャーノの深いコクが絡み合う前菜プレートに、焼きたての自家製フォカッチャ。予約枠が数分で埋まるのも頷ける圧倒的な完成度だ。Rettyや口コミサイトでもまだ詳細が語られていないこの幻のセットは、一度口にすれば記憶に焼き付いて離れない。