端座位とは?看護介護で不可欠な理由と転倒を防ぐ介助手順の極意

端座位とは?看護介護で不可欠な理由と転倒を防ぐ介助手順の極意

端座位とは?看護介護で不可欠な理由と転倒を防ぐ介助手順の極意についての真相をご紹介します。

医療や介護の臨床現場において、座位姿勢は「端座位(たんざい)」「長座位(ちょうざい)」「半座位(はんざい/ファウラー位)」などに分類されます。その中でも端座位は、ベッドや診察台の端に腰をかけ、下肢を垂らして足底を床につけた姿勢と定義されます。別名「腰かけ座位」とも呼ばれ、臥床状態が続く療養者にとって自立生活への第一歩となる姿勢です。

厚生労働省が公表している「高齢者の適切なケアとシーティングに関する手引き」でも、自立度の評価指標として「Hoffer(ホッファー)の座位能力分類」などが用いられています。ここでは、手の支持なしに30秒間バランスを保持できるか、あるいは片手・両手支持を要するかによって、その後のリハビリ計画や介助量が厳格に判定されます。端座位が保てるかどうかは、ポータブルトイレでの排泄が可能か、車椅子自走ができるかといった生活機能の分岐点となるのです。

看護やリハビリにおける端座位の目的と効果は、単に体を起こすことにとどまりません。上半身を垂直に保つことで横隔膜が下がり、胸郭の可動域が広がって肺換気量が大幅に増加します。さらに、重力刺激が前庭感覚や抗重力筋(抗重力伸展筋群)に入力されることで、網様体賦活系を介して脳の覚醒度が急激に向上します。寝たきりによるせん妄や見当識障害の改善、嚥下機能の賦活、さらには消化管蠕動運動の促進による便秘解消など、全身の生理機能に対して劇的な回復をもたらします。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。