去年の日焼け止めが危険視される最大の理由は、配合されている「紫外線吸収剤の劣化」と基剤である油分の酸化にあります。日焼け止めには、紫外線を熱エネルギーなどに変換して防ぐ「紫外線吸収剤」や、紫外線を物理的に跳ね返す「紫外線散乱剤」が配合されています。これらを均一に肌へ伸ばすため、大量の油分と界面活性剤がエマルジョン(乳化)状態で共存しています。
開封から1年が経過すると、酸素との接触や室温変化によって油分が変質し、過酸化脂質へと変化します。過酸化脂質は肌のバリア機能をダイレクトに破壊し、接触皮膚炎(かぶれ)や毛穴の詰まり、頑固なニキビを誘発する直接的な日焼け止め肌荒れ原因となります。
さらに見逃せないのが、日焼け止め紫外線カット効果の大幅な減衰です。紫外線吸収剤が酸化・分解すると、本来のスペックである「SPF50+ / PA++++」といった防御性能を物理的に発揮できなくなります。均一な塗膜が作れず肌上でムラが生じるため、しっかり塗ったつもりでも紫外線が無防備に角層をすり抜け、結果として「塗っていたのにひどい日焼けやシミを作ってしまった」という最悪の事態を招きます。