『Dumb Ways to Die』元ネタの真相!キャラ惨死の理由

『Dumb Ways to Die』元ネタの真相!キャラ惨死の理由

『Dumb Ways to Die』元ネタの真相!キャラ惨死の理由の重要ポイントをご紹介します。専門的な知識が詰まっています。

世界的な大バズりを記録した『Dumb Ways to Die』の元ネタは、オーストラリア・ビクトリア州の州都メルボルンで近郊鉄道を運行するメトロ・トレインズ・メルボルン 鉄道広告として2012年11月に公開された公共動画です。制作を担当したのは大手広告代理店のマッキャン・メルボルン(McCann Melbourne)でした。

当時、現場が頭を抱えていたのは「線路内への無謀な立ち入り」や「遮断機が降り始めた踏切への強行進入」「プラットフォームの白線の外側を歩行する行為」に起因する接触事故の多発でした。鉄道公社側が把握していた事故要因の多くは、自殺ではなく「若者を中心とする利用者の不注意や気の緩み」だったのです。

しかし、当時の鉄道事故防止キャンペーンにおいて主流だった「血まみれの事故現場をリアルに見せる恐怖訴求(ショック・タクティクス)」は、ターゲット層であるティーンエイジャーや20代前半の若者から完全に敬遠されていました。人間は強い不快感や説教を突きつけられると、防衛本能から視線をそらし、メッセージそのものを遮断してしまいます。

そこでクリエイティブディレクターのジョン・メスキール(John Mescall)率いる制作チームが導き出した結論が、Dumb Ways to Die 意味と誕生の経緯の根幹をなす逆転の発想でした。「電車の前へ飛び出すような行為は、勇敢でも反抗的でもなく、ただの『バカげた死に方(Dumb way to die)』にすぎない」というレッテルを貼ることです。かっこつけたい盛りの若者にとって、「危険を冒すこと」よりも「恥ずかしく愚かな存在として笑われること」のほうがはるかに強力な抑止力になるという心理的インサイトを突いた施策でした。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。