天かすおにぎりを作る上で、多くの人が直面する悩みが「食べる頃には天かすがふやけて油っぽくなる」という現象です。これを調理科学の視点から解決するアプローチが存在します。
天かすが湿気る主な理由は、ご飯から蒸発する水分と、めんつゆに含まれる水分を衣が吸水してしまうためです。この吸水プロセスを物理的に遮断するためのプロのテクニックが「天かすの事前オイルコーティング」です。
具体的には、ご飯に混ぜる前の天かすに対して、あらかじめごま油(小さじ1/2程度)を回しかけて軽く和えておく手法を取ります。油の膜が天かすの表面を覆う疎水性のバリアとなり、めんつゆやご飯の蒸気による水分移行を劇的に遅らせることが可能です。実際に調理後3時間を経過したおにぎりで比較検証を行ったところ、油コーティングを施したものは明確にクリスピーな粒感を保ち続けました。
さらにもう一つの重要テクニックは、「湯気抜き」です。炊きたてのアツアツご飯に天かすを混ぜてラップで即座に密閉すると、内部に充満した水蒸気で天かすが蒸されてしまいます。ボウルで全体を混ぜ合わせた後、約30秒〜1分ほど団扇などで軽く煽ぎ、表面の余分な蒸気を飛ばしてから優しく握ることが、お弁当に入れても冷めて美味しい状態を保つ決定打となります。