名門財閥タタ・グループへの経営移管以降、最高経営責任者(CEO)のキャンベル・ウィルソンは、巨額の投資を投じてブランドの刷新と機材の大規模発注を指揮してきた。とりわけ長距離国際線を担うボーイング社製のワイドボディ機は、新生エア・インディアの象徴として路線網の中核に据えられている。
しかし、急激なフリート拡張の裏で整備体制の構築が追いついていなかった可能性が指摘されている。部品供給網の目詰まりや熟練整備士の不足は、インド民間航空総局(DGCA)の抜き打ち監査でも度々是正勧告の対象となっていた。機材のハイテク化が進む一方で、現場の保守能力との間に生じたギャップが、今回の重大インシデントの引き金となったのではないかという懸念は根強い。