注文住宅を建てた施主のリアルな証言を検証すると、図面審査と実生活のギャップが生々しく浮かび上がります。大手ハウスメーカーの住友林業で家を建てたある施主の手記によると、リビングのインテリアに強いこだわりを持ち、テレビ背面のエコカラット壁の上部にエアコンを配置したところ、エアコン本体の白色がグレー調の内装の中で異様な存在感を放ち、視覚的ノイズになってしまったと告白しています。
大手ネット掲示板やSNS上の「新築エアコン位置失敗」に関する投稿を分析すると、次のような現場の悲鳴が多数確認できます。
「新築引き渡し後に量販店でエアコンを購入したら、図面上で指定されていた位置に耐震用の筋交いが入っており、壁に配管穴を開けられないと工事業者に工事を断られた」(30代男性・木造注文住宅施主)
「寝室のクローゼットの扉を開けると、エアコンの室内機に激突して全開にできない。図面上の扉の軌道とエアコンの厚み(約30cm)の干渉を見落としていた」(20代女性・建売住宅購入)
「エアコン配管穴失敗事例」として特に深刻なのが、エアコン工事業者が壁内構造を正確に把握しないまま穴あけ(コア抜き)を行い、構造耐力上重要な柱や筋交いを傷つけてしまう事故です。高気密住宅では、配管穴の周囲の気密処理(ウレタンフォームや気密部材の施工)が甘いと、外気とともに湿気や害虫が壁内に侵入する原因にもなります。配管用の貫通スリーブ穴は、建物の構造を熟知しているハウスメーカー・工務店側に建築工事の段階であらかじめ開けてもらうことが鉄則です。