ネット上の掲示板やまとめ記事などでは、「南野陽子は実は水着撮影を極端に嫌がっていた」「事務所の方針で途中から水着が完全NGになった」といった噂が散見されます。しかし、当時の関係者の証言や本人が自著・インタビューで語った事実を照らし合わせると、この見解には大きな誤解が含まれていることが分かります。
実際には、彼女自身がグラビアという表現手段そのものを拒絶していたわけではありません。当時の芸能界における過密スケジュール――朝ドラや連続ドラマの撮影、歌番組の生放送、コンサートツアーが重なる極限状態の中で、海外ロケを伴うグラビア撮影は体力的にも過酷を極めていました。その中で彼女が求めたのは、「安易な露出ではなく、作品として納得のいくクオリティを保つこと」でした。
彼女はプロとして、衣装の選定やアングル、写真のセレクトに関しても自身の意志をしっかりと示していました。この「安売りをしない」という毅然としたプロ意識が、結果として周囲に「慎重な姿勢」と受け止められ、後年になって「水着NG説」へと変質して伝わってしまったというのが事実に近い構図です。