話題沸騰中の ムンクの叫びの真相|実は叫んでいない名画の謎と落書きを徹底解明について、詳しいまとめをご紹介しています。
『叫び』という作品は、世界に1点しか存在しないわけではありません。ムンクは自身の代表的な連作構想『生命のフリーズ』において、同じテーマを異なる画材や技法で繰り返し探求しました。現在確認されている手描きのオリジナル作品は合計4点存在し、これらに加えて白黒のリトグラフ(版画)が制作されています。
それぞれ所蔵場所や技法、画面の受ける印象が大きく異なります。各作品のスペックと最新データを以下の比較表にまとめました。
制作年・技法現在の所蔵美術館・保管先特徴・評価額データ編集部の見解・注目点1893年版
油彩・テンペラ・パステル(厚紙)オスロ国立美術館
(ノルウェー)最も著名なオリジナル初版
(左上に直筆落書きあり)世界中で教科書等に掲載されるマスターピース。色彩の深みと構図の完成度が最高峰。1893年版
パステル(厚紙)ムンク美術館
(ノルウェー・オスロ)習作段階のスケッチ風作品
(色彩は淡く素朴)初期のアイデアスケッチとしての性質が強く、荒々しい描線から創作の苦悩が直に伝わる。1895年版
パステル(厚紙)個人蔵
(レオン・ブラック氏)約1億1992万ドル
(当時約96億円 / 現換算180億円規模)2012年サザビーズで落札。唯一の個人所有版。額縁にムンク自作の詩が刻まれている。1910年版
テンペラ・油彩(厚紙)ムンク美術館
(ノルウェー・オスロ)後年の再制作版
(2004年に盗難被害)人物の目元に瞳が描かれておらず、幽霊のような虚無感が強調された鮮烈な色使いが特徴。
2012年5月にニューヨークのサザビーズで開催されたオークションでは、1895年版のパステル画が当時の絵画史上最高額となる1億1992万2500ドルで落札され、国際的なニュースとなりました。個人コレクターが入手可能な最後の1点であったため、世界中の富豪による激しい競り合いが展開された結果です。