家族が突然姿を消した際、多くの人が「警察に相談すればGPS追跡やすぐの大規模捜索をしてくれる」と思い込んでいます。しかし、ここには法的な大きな壁が存在します。警察は受理した届出を「特異行方不明者」と「一般家出人」の2種類に厳格に分類して対応を分けるからです。
警察庁の「行方不明者発見活動に関する規則」において、特異行方不明者と判断されるのは以下のような基準に合致する場合のみです。
- 他人の犯罪行為により生命・身体に危害が生じているおそれがある者(誘拐・監禁など)
- 本人の自救能力がなく、生命に危険が及ぶおそれがある者(年少者、認知症高齢者、重度の要介護者など)
- 遺書がある、直前に自死を示唆するメッセージを残しているなど、自殺のおそれがある者
- 水難・山岳遭難その他の事故に遭遇しているおそれがある者
本人の自由意志で家を出たとみなされる成人(一般家出人)の場合、日本国憲法が保障する「居住・移転の自由」が優先されるため、警察には強制捜査の権限がありません。パトロール中の職務質問などで偶然発見されない限り、積極的な公開捜索や携帯電話の位置情報開示が行われることは原則としてないのが実情です。