この論争を語る上で欠かせないのが、実業家のひろゆき(西村博之)氏をはじめとするインフルエンサーたちの発信です。ひろゆき氏は過去に自身の配信やメディアで、「現金を使っている人は頭が悪い」「小銭を数える時間も、還元を受け取らないのも無駄」といった趣旨の発言を歯に衣着せぬ表現で繰り返し述べてきました。
こうした歯切れの良い辛口オピニオンは、日頃からレジ待ちにストレスを抱えていたキャッシュレス派の共感を呼び、一気に拡散されました。著名人が「現金派=非合理的」というレッテルを明文化したことで、一般ユーザーの間でも過激な主張が正当化されやすくなった側面は否定できません。
ただし、こうした言説の根本にあるのは人格攻撃ではなく、「テクノロジーを活用して無駄を省くべき」という生産性重視の哲学です。思考停止で従来の習慣を続けることへの問題提起が、ネット特有の極端な煽り文句に変換されて広まったのが騒動の構図と言えます。