『ノーサイド・ゲーム』に登場するアストロズや浜畑譲について、「実在の人物やモデルチームが存在するのか」という疑問を持つファンも多いでしょう。
作中のトキワ自動車アストロズは、かつて名門でありながら低迷期を経験した複数の社会人ラグビー部(東芝ブレイブルーパスや釜石シーウェイブスなどの企業チームの歴史)のエッセンスが投影されていると分析されています。そして浜畑譲というキャラクター自身、チームのアイデンティティを背負い、ベテランとして泥臭く戦い抜くラガーマンの矜持を凝縮した存在です。
原作者の池井戸氏も徹底した取材を重ねて執筆しており、廣瀬氏自身が東芝や日本代表で体験してきた「勝てない時代の苦悩」「企業の合理化の波に晒される部員たちの葛藤」が見事にリンクしています。実話のスピリットが息づいていたからこそ、浜畑の放つ言葉一つひとつに嘘のない重みが宿っていました。