精神障害と知的障害の違いとは?判定基準や手帳・支援制度を徹底比較

精神障害と知的障害の違いとは?判定基準や手帳・支援制度を徹底比較

精神障害と知的障害の違いとは?判定基準や手帳・支援制度を徹底比較の背景について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

二つの障害を混同してしまう最大の原因は、どちらも「外見からは障害の存在が判別しにくい不可視の困難」を抱えている点にあります。しかし、医学的な成り立ちと発症のタイミングを精査すると、その本質は全く異なります。

知的障害(知的発達症)は、脳の発達期である原則18歳未満に知的機能の制約が現れ、適応行動に困難が生じている状態と定義されます。医学的な診断基準(DSM-5やICD-11)において重視されるのが、知能検査によって測定される数値です。一般的な知的障害のIQ判定基準は、標準化された知能検査(田中ビネー知能検査やWISC、WAISなど)で「IQ70〜75以下」がおおよその目安と設定されています。生まれ持った脳の発育不全や周産期のトラブル、染色体異常などが背景に存在し、成長過程全体を通じて知的な遅れが認められるのが特徴です。

一方で、精神障害は発症時期を限定しません。小児期から高齢期に至るまで、人生のあらゆる段階で発症する可能性があります。統合失調症、うつ病や双極性障害などの気分障害、PTSD、てんかんなどが代表例です。精神障害の症状や原因の詳細を紐解くと、遺伝的要因や環境要因、過剰な心理的ストレス、脳内神経伝達物質のアンバランスなどが複雑に絡み合って発病に至ります。もともと高い知能を持っていた人であっても、精神疾患の罹患によって思考力や意欲、集中力が一時的あるいは長期的に著しく低下することは珍しくありません。

また、昨今議論が盛んな「発達障害(ASDやADHDなど)」との位置づけを整理しておかなければなりません。精神障害と発達障害の違いについて、行政上の枠組みでは、発達障害者支援法に基づく支援が行われる一方、福祉手帳の運用においては精神保健福祉法上の「精神障害」の一環として精神障害者保健福祉手帳の交付対象に位置づけられています。知的な遅れを伴わない発達障害(高機能ASDなど)は知的障害とは区別され、精神障害の枠組みで公的支援に接続される構造です。

山田 真由
著者

山田 真由

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