伊藤園による買収が「平成〜令和における外食・飲料業界のM&Aで最も成功した事例の一つ」と称される理由は、店舗展開にとどまらない製品シナジーにある。
その象徴が、コンビニや自販機で定番となったボトル缶コーヒー「TULLY'S COFFEE BARISTA'S BLACK」をはじめとする市販用製品群だ。
この共同開発商品は、従来の缶コーヒーにありがちだった画一的な味から脱却し、「ショップクオリティの香り立ちとコク」を徹底追求して開発された。タリーズのバリスタが監修した本格的な焙煎・抽出ノウハウに、伊藤園が持つ飲料充填技術と全国数十万台規模の自販機ネットワーク、コンビニへの配荷力が融合。結果として、ボトル缶ブラックコーヒー市場で屈指のロングセラー商品へと成長した。
伊藤園の連結業績においても、タリーズの店舗売上および市販飲料のライセンス・販売売上は、お茶事業と並ぶ巨大な収益の柱として強固な業績貢献を続けている。