「アナログレコードの音質は温かい」「CDは冷たく硬い」——こうした通説は、2026年になっても根強く語られている。だが、編集部が複数のオーディオ専門店で聞き取りを行ったところ、現場の見解はより慎重だ。
アナログ盤の音質的な特徴は、高域のロールオフ(高い周波数ほど減衰する特性)と、針と盤の接触によって生じる微小なノイズにある。このノイズが「空気感」や「臨場感」として知覚され、聴き手に温かみを感じさせる。一方、CDは可聴帯域をほぼフラットに再生でき、ダイナミックレンジも広い。つまり、CDのほうが原音により忠実で、アナログ盤のほうが「味付け」された音と言える。
重要なのは、どちらが優れているかではなく、どちらが自分に合うかだ。ジャズやクラシックの繊細なニュアンスを楽しむならアナログ盤、電子音楽や大音量のロックをクリアに聴くならCDが向く。実際、SNSや知恵袋では「同じアルバムでもレコードとCDで印象が全然違う」「CDで聴き慣れた曲をレコードで聴いたら別の曲に思えた」という声が多数見られる。