国が進めたデジタル化の波は、地方の景色を少しだけ変えた。だが、本質的な解決には程遠い。山奥の古民家で高速Wi-Fiが繋がったところで、近くに救急病院がなければ若者は子供を育てられない。学校が統廃合され、子供たちがバスで1時間かけて通学する現状を、タブレット端末が救えるわけがないのだ。
テクノロジーは道具であり、目的ではない。ハコモノ行政が「デジタル」という言葉にすり替わっただけの施策に、巨額の税金が投じられ続けている。現場が必要としているのは、ドローンでの宅配ではなく、明日の生活を支える医師や保育士だ。