第1子の誕生を経て、二人の表現力はさらなる次元へと突入した。かつての戸田恵梨香が見せていた鋭利で情熱的な存在感には、包み込むような温かさと静かな深みが加わった。作品ごとに全く異なる表情を見せるその圧倒的な演技力は、母親という新たなライフステージを経験したことで、より豊かさを増している。
一方の松坂桃李も、狂気的な役柄から不器用で愛おしい等身大の人物までを縦横無尽に演じ分ける怪演に拍車がかかっている。守るべき家族が出来たことで腹が据わったのか、役柄に対するアプローチには迷いがなく、作品の芯をしっかりと支える重厚感が際立つようになった。