「ドスンという地鳴りのような音がして、一瞬で前方の車列が火花を散らして押し潰された」――。数台後ろを走行していた乗用車の男性は、震える声で当時の恐怖を振り返る。ブレーキ音すら聞き取れないほど唐突な衝突だったという。直後に車を降りて救護に向かおうとした別の目撃者は、ひしゃげた車体から漏れ出るガソリンの匂いと被災者の叫び声に足をすくませた。
夜間の高速道路という特殊な環境下、後続車は前方の異常事態に気づくのが遅れたとみられる。現場付近の防犯カメラやドライブレコーダーの映像には、ノーブレーキに近い状態で後方から突っ込む車両の姿が記録されていた。逃げ場のない車線上で起きた連鎖衝突の恐ろしさが、現場に居合わせた人々の生々しい証言から浮かび上がる。