徳川宗家における最大のニュースといえば、2026年1月1日に行われた当主交代です。長年にわたり第18代当主を務めた徳川恒孝(つねなり)氏(元日本郵船副社長)から家督を継承し、長男の徳川家広(いえひろ)氏が第19代当主へと就任しました。宗家としての当主交代は1963年以来、実に約60年ぶりの出来事でした。
家広氏は1965年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、アメリカのミシガン大学大学院で経済学修士、コロンビア大学大学院で国際関係論修士を取得した国際派のエコノミストです。翻訳家としても名高く、ジョージ・ソロスをはじめとする世界的な投資家・思想家の著作を多数日本語訳してきた実績を誇ります。
現在、家広氏は言論人・政治経済評論家としてメディアや講演会で鋭い発信を続ける傍ら、公益財団法人徳川記念財団の理事長を務めています。この財団は、徳川宗家に伝来する国宝や重要文化財を含む膨大な歴史資料・美術品を保存・管理し、一般公開や学術研究への支援を行う極めて公共性の高い機関です。
私生活では、国連機関の勤務時代に出会ったベトナム出身の夫人と共に暮らし、徳川家のルーツである静岡県や東京都を拠点に活動しています。過去には参議院議員選挙への出馬などで注目を集めたこともありましたが、現在は政治の表舞台から一定の距離を置き、歴史文化の啓蒙と地域振興、執筆活動に軸足を置いています。