高校野球ファンにとって、2017年の夏は永遠に語り継がれる特別な瞬間となった。それまで幾度となく甲子園の壁に阻まれてきた埼玉県勢にとって、深紅の大優勝旗を掲げることは長年の悲願だった。その歴史を大きく塗り替えたのが花咲徳栄だ。
主将の千丸剛をはじめとする強力打線が爆発し、決勝戦では広陵(広島)を相手に14安打を浴びせて14-4で圧倒。投げては絶対的エース綱脇慧と清水達也(現・中日ドラゴンズ)の盤石な継投策が冴え渡った。力強いスイングと冷静なマウンド裁き。埼玉の悲願を歓喜へと変えたあの夏から、彼らの物語は新たな章へと突入したのだ。