工房で提供されるメニューは、季節の移ろいとともにその表情を変える。なかでも不動の人気を誇り、午前中で完売することも珍しくないのが「どら焼き」だ。小倉あんと白あんの2種類が用意され、どちらも職人が毎朝丁寧に焼き上げている。
一般的な贈答用の密閉されたどら焼きとは異なり、皮の香ばしさとふんわりとした弾力、そして瑞々しい小豆の粒感が際立つ。御殿場周辺で採れる新鮮なさくら卵を使った生地は、甘さ控えめで素材本来のコクがじんわりと広がる仕上がりだ。一口かじれば、これまでのどら焼きの概念が覆される。
2026年現在のラインナップでは、名物のどら焼きに加え、季節限定の餅菓子や大福、夏季の特製かき氷、冬季の温かいお汁粉などが並ぶ。煎茶は急須で提供され、敷地内の給湯スペースで何度でもお湯を注ぎ足せるスタイルが定着している。素朴でありながら妥協のない本物の味わいは、舌の肥えた甘党をも唸らせる。