秋田新幹線の運行状況をチェックする際、多くの利用者が「なぜ東北新幹線(はやぶさ)は動いているのに、こまちだけが止まるのか」という疑問を抱きます。その決定的な理由は、秋田新幹線が採用している「新在直通(ミニ新幹線)」という運行形態にあります。
東京から盛岡までは時速320km運転が可能な高規格の新幹線専用軌道を走りますが、盛岡から先は在来線である田沢湖線および奥羽本線の線路を走行します。奥羽山脈の険しい山間部を縫うように走る田沢湖線区間は、単線区間が多く、踏切も存在します。そのため、大雪による倒木や雪崩、強風による飛来物、さらには野生動物(カモシカやクマなど)との接触といった在来線特有のリスクをダイレクトに受けてしまうのです。
JR東日本の輸送指令データや現場レポートによると、冬期における遅延理由の約7割がこの「仙岩峠(岩手・秋田県境)周辺の局地的な豪雪・吹雪」および「ポイント(分岐器)不転換」に起因しています。一度山間部でトラブルが発生すると、単線ゆえに対向列車の待ち合わせが連鎖し、ダイヤ全体の乱れへと急速に拡大するメカニズムとなっています。