山折哲雄が問う日本人と死生観|混迷の時代を生き抜く智慧の全貌

山折哲雄が問う日本人と死生観|混迷の時代を生き抜く智慧の全貌

山折哲雄が問う日本人と死生観|混迷の時代を生き抜く智慧の全貌にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

山折の思想の骨格を理解する上で、その学問的歩みを見落とすことはできない。東北大学でインド哲学や宗教学の基礎を徹底的に叩き込まれた若き日の研鑽は、彼に普遍的な比較思想の視座を与えた。西洋近代の物差しだけで日本を裁くのではなく、アジアの広大な精神史の文脈に日本文化を置き直す視座は、ここから芽生えた。

その後、哲学者・梅原猛らとともに立ち上げに参画した国際日本文化研究センター(日文研)において、その思索は一気に開花する。のちに所長も務めた同センターで、山折は学問のタコツボ化を徹底して批判した。歴史学、文学、人類学を縦横無尽に往還するダイナミックな対話の場を創出したのだ。

「アカデミズムの象牙の塔に閉じこもっていては、生きた人間の祈りや嘆きは捉えられない」。そう語るかのように、彼は京都の街を歩き、各地の霊場を巡り、身体感覚を伴った知を紡ぎ続けた。梅原猛の情熱的な直観知と好対照をなしながら、山折は抑制された文体の中に底知れぬ深度を持つ日本論を構築していった。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。