本作が初収録された2008年のアルバム『Dream "A" live』は、嵐の音楽的変遷においても重要な転換点として位置づけられる。当時のグループが標榜していたポップ&キャッチーな王道路線とは一線を画し、先鋭的なエレクトロ・ポップサウンドを大胆に導入したのがこのソロ曲だった。
硬質なビート、歪んだシンセベース、そしてボーカルに施された緻密なエフェクト処理。2000年代後半の世界的なダンスミュージックの潮流を巧みに吸収しながら、歌謡曲的な哀愁のメロディラインを同居させたサウンドデザインは、今聴いてもまったく古さを感じさせない。
華やかなブラスセクションやストリングスが主流だった当時のアイドルポップスシーンにおいて、無機質でストイックなトラックを選択した二宮の審美眼は極めて鋭かった。その音楽的冒険心は、現在のシーンにおけるトラックメイキングの潮流とも見事に共鳴している。