ここで行う本格的な歌詞考察で見えてくるのは、一筋縄ではいかない多重構造の叙述トリックだ。歌詞の中に漂うのは、嘘と真実の境界線が曖昧になった男女の泥沼の駆け引き。「首筋に残された痕」や「拭い去れない匂い」といった生々しい描写は、浮気や裏切りを示唆しながらも、どこか哀愁を帯びている。
最も衝撃的なのは、語り手自身が相手を弄んでいるようでいて、実は相手の仕掛けた「ゲーム」の掌上で踊らされているのではないかという視点だ。歌詞に描かれる「黄色いマニキュア」の描写や、「嘘を塗る」という行為。言葉の裏に隠された真実は、純愛の皮をかぶった完全なる愛憎劇にほかならない。真実を知れば知るほど、聴き手は二宮の仕掛けた罠に捉われていく。