「耳垢がたまっているくらいで受診したら医師に嫌な顔をされるのではないか」という不安は、患者側の大きな誤解です。現場の耳鼻咽喉科医に取材すると、異口同音に「耳掃除だけで気兼ねなく来てほしい」という回答が返ってきます。
耳の穴(外耳道)は非常にデリケートな皮膚で覆われており、毛細血管も浅い位置に走っています。市販の綿棒や金属製の耳かきを使って自分でケアしようとすると、かえって耳垢を鼓膜の方向へ押し込んでしまったり、外耳道を傷つけて細菌感染を引き起こしたりするリスクが極めて高いのです。実際、日本耳鼻咽喉科学会の啓発資料でも、耳垢による外耳道閉鎖(耳垢栓塞)は正式な疾患名として定義されています。
医師にとって、耳垢を除去することは単なる「お掃除」ではなく、外耳道や鼓膜に異常がないか確認する重要な診察の一環です。「耳掃除 耳鼻科 だけ 理由」と検索する受診者の多くが恐縮しながら来院しますが、医療現場からすれば「重篤な炎症に発展する前に処置できる理想的なタイミング」にほかなりません。恥ずかしがる必要はまったくなく、堂々と受診して問題ありません。