耳裏への施術を検討する際、最大のハードルとなるのが「骨に近い部位特有の痛み」と「周囲への露出リスク」です。彫師へのヒアリングや愛好者の体験手記を精査すると、ネット上に溢れる「失神するほどの激痛」という極端な言説とは異なる、身体感覚のリアルが浮かび上がってきます。
施術を経験した20代女性の手記には、次のような率直な述懐が残されています。
「最初の1分はチクッとする程度で拍子抜けした。でも途中から針の振動が直接頭蓋骨にビリビリと響き渡り、耳元で響く機械音の近さも相まって、頭の内側を揺さぶられるような恐怖感があった」
耳の後ろにある乳様突起と呼ばれる突起した骨の周辺は、皮下脂肪が極めて薄いエリアです。そのため、針が刺さる痛みそのものよりも、骨を伝導する高周波の振動と耳元で鳴り響く動作音が心理的なストレスを増大させます。施術時間自体はコインサイズであれば15分から30分程度と短いものの、精神的な消耗を感じやすい部位であることは間違いありません。
もう一つの関心事である「職場や就活でバレるのか」という点については、髪型に大きく依存します。ロングヘアを下ろしていれば外部から視認されることはまずありません。しかし、医療機関や金融機関、ブライダル業界など、清潔感と厳格な身だしなみが求められる職場の採用面接では、髪を後ろで束ねて耳を完全に露出させるスタイルが基本です。
「耳裏だから絶対に見つからない」と過信して就職活動に臨み、健康診断や最終面接前の身だしなみチェックで発覚してトラブルになるケースは後を絶ちません。日常的なオフィスワークであっても、風が強く吹いた日や、無意識に髪を耳へかけた瞬間に同僚の目に触れる可能性は常に付きまといます。