バイクジャーナリストやテストライダーの検証データによると、同乗者の車酔いや疲労感は「前方視界の確保率」と密接にリンクしている。国土交通省の安全アセスメント基準でも視界と重心の安定性は重視されるが、タンデム走行においてもパッセンジャーのアイポイントがライダーの頭部より5〜10センチ程度高い位置にある状態が最も酔いにくい。
前方の景色が見えない状態が続くと、加減速やコーナリングのタイミングを予測できず、無駄な筋力を使って踏ん張り続けることになる。これが急激な疲労の原因だ。さらに、二人乗り時の制動距離は単独走行時に比べて約1.2倍から1.3倍に伸びる傾向がある。プリロードアジャスターを備えたサスペンションを適切に調整し、リアの沈み込みを抑えるセッティングを施すことが、安定したハンドリングと快適な視界を維持するプロの鉄則である。