二所ノ関親方(第72代横綱・稀勢の里)の指導スタイルは、従来の相撲界における「見て覚えろ」「限界までぶつかり稽古を繰り返す」といった根性論とは一線を画しています。その根底にあるのが、現役引退後に進学した早稲田大学大学院スポーツ科学研究科での学びです。
修士課程において「新しい相撲部屋経営のあり方」や運動生理学、コーチング理論を体系的に研究した親方は、科学的根拠に基づいた合理的な育成システムを構築しました。
具体的な取り組みとして、弟子たちの睡眠データや心拍数の可視化、管理栄養士と連携した栄養マネジメント、個々の骨格や筋肉の特性に応じたウエイトトレーニングの導入などが挙げられます。稽古の質を極限まで高めつつ、オーバートレーニングによる深刻な怪我を未然に防ぐ方針は、角界関係者やファンからも「新時代の育成モデル」として極めて高い評価を得ています。