ネット上で「児童養護施設は闇が深い」と表現される最大の要因は、施設という生活空間が持つ特有の閉鎖性と、外部の目が届きにくい環境にあります。家庭に代わる公的な養護の場でありながら、外部の人間が日常的に立ち入る機会は限られており、どのような生活が営まれているのかが一般社会に見えにくいことが、ネガティブな臆測や過激な噂を増幅させています。
事実として、昭和から平成初期にかけて主流だった大舎制(数十人単位の集団生活)では、集団規律を保つために極端に厳しい生活指導が行われていたケースがありました。プライベート空間の欠如や、私物の持ち込み制限、私信のチェックなど、プライバシーが制限される環境下で過ごした人々の苦い記憶が、現在の児童養護施設の実態として語り継がれている側面は否定できません。
さらに、保護者や家族からの虐待、育児放棄(ネグレクト)を経験して入所してきた子どもたちは、自己肯定感の低下や強い精神的不安を抱えています。そうした情緒の乱れが施設内での激しいフラッシュバックや他児への攻撃性として噴出した際、適切な専門ケアが追いつかないと、生活空間そのものが荒れてしまう悪循環に陥ることも「ひどい」と言われる要因の一つです。