不快感から焦るあまり、多くの人がやってしまいがちな行動には深刻な医学的リスクが潜んでいます。特に綿棒を耳の奥深くまで挿入する行為は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会などの専門機関からも強い注意喚起がなされています。
外耳道の皮膚は非常に薄く、わずか0.1mmほどのデリケートな組織です。水でふやけた状態の皮膚を綿棒の硬い軸で擦ると、微細な傷が生じ、そこから黄色ブドウ球菌や緑膿菌が侵入して外耳炎(外耳道炎)を発症します。激しい痛み、痒み、耳だれ(浸出液)が生じ、治癒まで数週間を要することも少なくありません。
また、強引に「耳抜き」をしようと鼻をつまんで強く息を吹き込む行為も要注意です。圧力のコントロールを誤ると、耳管を通じて鼻腔内の細菌が中耳に送り込まれ、急性中耳炎を引き起こしたり、最悪の場合は鼓膜に過度な負担をかけて内耳を損傷するリスクがあります。