駅から鴨川を西へ渡ると、いつも長い列をつくる老舗和菓子店「出町ふたば」が見えてくる。看板商品の「名代豆餅」は、赤えんどう豆の程よい塩気と上品な餡、そして柔らかい餅のバランスが絶妙だ。朝早くから職人が蒸気の中で餅を突く音は、この街の朝の風物詩である。
そのすぐ裏手に広がる「出町桝形商店街」は、昭和のアーケードの雰囲気を色濃く残す。鮮魚店や八百屋の威勢のいい声と並んで、近年は個性的な古本屋やヴィーガン対応のスタンド、ミニシアター「出町座」が立ち並ぶ。新旧の店舗が共存する活気は、全国の商店街再生モデルとしても注目を集める。