国民的人気を集めていた最中、突如として芸名を「のん」へと改名した背景には、芸能史に残る激しい独立劇が存在します。発端となったのは2015年春、当時の所属事務所「レプロエンタテインメント」との間で生じたマネジメント方針の不一致や、個人事務所設立を巡る対立でした。
契約満了を迎えた2016年、彼女は独立を選択しましたが、前事務所側との間で使用権を巡る法的な協議が難航。本名である「能年玲奈」という名前を商業活動で使用することが極めて困難な状況に追い込まれました。この事態を受け、心機一転して再スタートを切るために選んだ名前が、シンプルで親しみやすい「のん」でした。
当時、この問題は「芸能界の旧態依然とした専属契約のあり方」として社会的議論を呼び、2019年には公正取引委員会が芸能事務所に対する注意喚起を行う契機の一つにもなりました。彼女の独立劇は、日本のエンタメ業界全体の構造改革を促す大きな転換点となったのです。