『天気の子』で若い世代に知られることになった代々木会館ですが、往年のカルチャーファンにとっては別の意味で伝説の聖地でした。
1963年(昭和38年)に竣工した代々木会館は、地下1階・地上7階建て(一部中3階・屋上構造物あり)の複合ビル。かつてはパチンコ店、飲食店、居酒屋、サウナ、書店、事務所などが入居し、昭和の高度経済成長期における活気に満ち溢れていました。
このビルを一躍全国区にしたのが、1974年に放送された萩原健一・水谷豊主演の伝説的テレビドラマ『傷だらけの天使』です。主人公の木暮修と弟分の亨が寝起きしていた「屋上のペントハウス」のロケ地として使用され、当時は若者たちの憧れの場所となりました。
しかし時代の移り変わりとともにテナントが次々と退去。複雑な権利関係や所有権の争いも重なって大規模な改修が行われないまま放置され、増改築が繰り返された異様な外観から、いつしか「代々木の九龍城」や「東洋の九龍城」と呼ばれるディープな廃墟スポットへと変貌していったのです。