人類は知恵の実によって発展したものの、他者と完全に分かり合えない孤独と、いつか滅びを迎える宿命を抱えています。この限界を人工的に打破しようとした試みこそが「人類補完計画」です。
計画の主導者であるゼーレは、全人類の魂をひとつの完全な存在へと統合し、生命の実と知恵の実を併せ持つ神へと回帰させることを目論みました。しかし碇ゲンドウの真の目的は、亡き妻・碇ユイとの再会にありました。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズにおいて、ゲンドウは自らの目的を果たすため、人造使徒のコアから作られた「ネブカドネザルの鍵」を肉体に注入します。これによりゲンドウは人間の輪郭を捨て、神と同等の力と認識を持つ存在へと変貌しました。冬月コウゾウが彼を「リリンの王」と呼んだのは、リリンという脆弱な肉体を超克し、全人類の運命を左右する絶対者となった皮肉を込めた表現です。