『セプテンバー』は、日本人のポップス感覚や日常のエンターテインメント空間にも深く浸透しています。映画やCM、そして国内実力派アーティストによるカバーを通じて、世代を超えた共有体験が築かれてきました。
代表的な映像作品としては、世界的大ヒットを記録したフランス映画『最強のふたり(Untouchable)』のオープニングおよび劇中ダンスシーンが挙げられます。全身麻痺の大富豪フィリップの誕生日パーティーで、介護人のドリスが『セプテンバー』に合わせて自由奔放に踊り出す名シーンは、音楽が持つ「心の壁を溶かす力」を鮮明に描き出しました。日本国内でもビールや自動車、清涼飲料水のTVCM挿入歌として数十年間にわたり繰り返し起用されています。
日本人アーティストによるリスペクトとカバー展開も枚挙にいとまがありません。
- DREAMS COME TRUE:ボーカルの吉田美和をはじめ、EW&Fからの音楽的影響を公言。トリビュートアルバムへの参加や、ソウルフルなエッセンスを昇華させたアプローチを展開。
- ゴスペラーズ:日本を代表するボーカルグループとして、重厚なアカペラ・コーラスワークを駆使したアレンジでカバーを披露。緻密なハーモニー構造を再構築。
- 杏里、MISIA、島谷ひとみ等:ライブや企画盤において、それぞれの歌唱力を存分に活かしたダンスフロア・トリビュートを披露し、J-POPリスナーへその魅力を橋渡し。
単なる「懐かしの洋楽」にとどまらず、日本のポップ・ミュージックシーンの現場でリスペクトされ続けている点こそ、この楽曲の特異性といえます。