法学部に向いている人の共通点とは?真面目な人が挫折する理由と進路

法学部に向いている人の共通点とは?真面目な人が挫折する理由と進路

法学部に向いている人の共通点とは?真面目な人が挫折する理由と進路とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

法学部の実態をより正確に把握するため、現役生や卒業生、大手予備校の指導者が明かした生の証言を検証します。取材の中で浮き彫りになったのは、華やかなイメージの裏にある孤独な格闘の数々です。

都内難関私立大学の法学部を卒業し、現在メガバンクの法務部門で働く男性(2026年卒)は、自身の学生時代を次のように振り返ります。

「高校時代は世界史の年号暗記が得意で、法学部も同じ要領で乗り切れると高をくくっていました。しかし1年次の『民法総則』の試験で、必修科目を一発で落としました。ノートを暗記して臨んだのに、問題文は全く見たことがない事例問題。後から教授の研究室に聞きに行くと、『君の答案には事実に対する評価がなく、条文の定義が羅列されているだけだ』と言われました。法律の勉強は、数学の証明問題に近い。公式(条文)を覚えるのは前提で、目の前の複雑な図形(事件)をどう解きほぐすかが問われていたと気づくまで、丸1年かかりました」

一方で、法科大学院へ進まずに「司法試験予備試験」への短期合格を果たした国立大学4年生の手記からは、徹底した自律の重要性が伺えます。

「周囲がサークルやアルバイトに勤しむ中、1日8時間から10時間は机に向かい、判例百選の事案と判旨を何度も読み込みました。予備試験の論文式試験は、知識があることなど誰も褒めてくれません。『問題点を発見し、条文の趣旨に遡って自説を展開し、具体的事実を拾って当てはめる』という作業を制限時間内に数千文字で書き殴るスポーツのような世界です。孤独に耐えられない人、議論のプロセスに快感を覚えられない人には、正直おすすめできません」

ネット上の相談掲示板(知恵袋やSNS)でも、「法学部に向いていない」と吐露する投稿には共通点が見られます。「感情移入しすぎて、判決に納得がいかない」「理不尽な現実をドライに切り分けられない」という声です。例えば、悪質な加害者であっても刑事訴訟法上の適正手続き(デュープロセス)に則って人権が保障されるべきという法理に対して、「生理的な嫌悪感」が勝ってしまう学生は、法学の学術的な議論についていけず、精神的な摩耗を起こしてしまう傾向があります。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。