毎年約450〜500名が入校する防衛大学校ですが、4年間の生活を耐え抜き、無事に卒業を迎える学生は全体の8割から8.5割程度です。つまり、約10〜15%前後の学生が中途退学を選択しています。
退学のピークは、入校直後の4月から夏期定期訓練が終わる8月頃にかけて集中します。中退の主な理由は以下の通りです。
- 理想と現実のギャップ:「普通のキャンパスライフ」を想像して入校し、分刻みの拘束生活に耐えられなくなる。
- 集団生活への不適応:プライベート空間が皆無である寮生活や、常に監視・指導される環境による精神的摩耗。
- 進路の再考:「本当に自衛官として生涯を捧げるべきか」という疑問が生じ、他大学への再受験を決意する。
また、防大関係者の間で語られる「脱走」という言葉も、外部に恐怖感を与える要因の一つです。これは正式な退校手続きを踏まずに無断で敷地外へ抜け出し、帰寮しなくなる事案を指します。敷地を囲むフェンスを乗り越えて実家へ逃げ帰ったというエピソードが都市伝説のように語られますが、実際には深夜の無断外出や外出許可からの未帰還が発案の経緯です。現在では手続きの透明化が進み、退校を希望すれば正規の面談を経て正式に離職・退校できる体制が整っています。