乾いた米粒がふっくらとしたツヤのあるご飯へと変貌を遂げる背後には、緻密な炊飯科学のロジックが存在する。生米が水を吸い上げる吸水率は常温浸漬でおよそ20〜25%。ここへ熱が加わることで、米内部の澱粉が糊化(アルファ化)し、組織の奥深くまで水分を抱き抱える。
この過程で生米450gは、自重以上の水分(約540g)を取り込み、最終的に約990gの重量へと膨張する。米粒の内部で網目状に広がる澱粉構造が、水分を逃さずゲル化することで、私たちが噛みしめたときに感じる弾力と甘味が生まれるのだ。浸漬時間を削って急激に加熱すると、表面だけが過剰に水分を吸って煮崩れ、中心に硬い芯が残る原因になる。