翡翠の価格を語る上で、色と同じかそれ以上に重要なのが透明度と「テリ」の評価だ。翡翠は多結晶集合体であり、石内部の結晶が細かく緻密に絡み合うほど光が内部で均一に反射し、表面に独特の潤いのある光沢が現れる。業界ではこれを「テリ」と呼び、ガラス質のテリを持つ石はそれだけで高評価の対象となる。
実際の鑑別書や鑑別機関の評価基準では、「半透明」「やや半透明」「不透明」の3段階で明記されることが多い。ここで知っておきたいのは、色が濃くても不透明な石より、やや淡い緑でも半透明でテリの強い石の方が高額になりやすい、という翡翠特有の逆転現象だ。たとえば深い緑でも内部に白い綿や不純物が多く光を通さない場合、見た目の重厚感はあっても市場評価は伸び悩む。
購入時に肉眼で確認するなら、石を光源にかざした際に光が表面で止まらず、内部へ柔らかく染み込むように見えるかどうかがポイントだ。完全に透明である必要はない。むしろ翡翠の最高級品は、ガラスと磁器の中間のような「しっとりとした半透明感」を持つ。これが琅玕の質感の本質であり、単なる緑色の石と一線を画す所以である。