飛沫核やマイクロ飛沫が空気中に長時間滞留するリスクを排除する上で、最も費用対効果が高く確実な手段が「換気」です。換気の感染予防効果は、空間内のウイルス濃度を物理的に希釈し、室外へ排出することにあります。
大きな飛沫であれば床や机に落ちるため換気の影響は限定的ですが、浮遊する微小粒子に対しては換気回数がリスクを左右します。厚生労働省のガイドラインでも推奨されている通り、ビル管理法に基づく基準(CO2濃度1,000ppm以下)を維持することが、密閉状態を回避する客観的な指標となります。
ただし、換気には見落としがちな盲点も存在します。それは「室内の気流の向き」です。窓を開けたりサーキュレーターを回したりした際、感染者の風下にいる人は、希釈される前の高濃度のエアロゾルを直接浴びる危険性があります。換気を行う際は、単に空気を通すだけでなく、人の配置や空気の流れを考慮した立体的なエアフロー設計が求められます。