飛行機で耳が痛いまま治らない原因とは?航空性中耳炎の危険度と対処法

飛行機で耳が痛いまま治らない原因とは?航空性中耳炎の危険度と対処法

飛行機で耳が痛いまま治らない原因とは?航空性中耳炎の危険度と対処法について押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。

飛行機が降下を開始してから着陸するまでの間、客室内の気圧は急激に上昇します。通常であれば、鼻の奥と中耳腔(鼓膜の奥にある空間)をつなぐ管である「耳管(じかん)」が自然に開き、空気を取り込むことで鼓膜の内外の気圧差を瞬時にゼロへとリセットします。しかし、何らかの理由で耳管が十分に開放されないと、中耳腔内は上空の低い気圧のまま取り残され、周囲の外気圧に押し潰されるような「強力な陰圧(バキューム状態)」が生じてしまいます。

この強烈な陰圧によって鼓膜が内側へ強く引き絞られ、中耳の粘膜から毛細血管が破綻して血液や浸出液が滲み出します。この病態こそが航空性中耳炎(気圧性中耳炎)です。飛行機を降りた後も痛みが引かない理由は、一度生じてしまった粘膜の急性炎症や毛細血管の出血、そして中耳腔に溜まった浸出液(滲出性中耳炎の状態)が、地上に戻ったからといって瞬時に消失するわけではないためです。

特に着陸直前から着陸後にかけて生じる症状は、単なる一時的な気圧の違和感とは明確に異なります。鼓膜の神経は非常に敏感であるため、軽微なうっ血でもズキズキとした鋭い痛みが生じます。降機後2時間以上経過しても耳が塞がった感覚が抜けず、唾液を飲み込んでも「バリッ」という音がするだけで開放感がない場合は、すでに中耳粘膜で急性変化が起きていると判断せざるを得ません。

山田 真由
著者

山田 真由

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