国際線を利用する際、保安検査(ハイジャック防止)とは別次元で厳重に警戒しなければならないのが、到着国での「動植物検疫(税関手続き)」です。近年、家畜伝染病(アフリカ豚熱や鳥インフルエンザ等)の世界的な拡大に伴い、各国で動植物製品の持ち込み取り締まりが劇的に強化されています。
特に見落としがちなのが、国際線における肉エキス入りお菓子の持ち込み禁止ルールです。生の肉製品だけでなく、加工食品の原材料に含まれるエキス分すら処罰対象とする国が多数存在します。
例えば、アメリカ(CBP/農務省)やオーストラリア(農業水産森林省)、ニュージーランドでは動植物の検疫基準が世界で最も厳格な部類に入ります。肉類(牛・豚・鶏・羊など)に由来する成分が含まれる食品は原則持ち込み不可となっており、以下のような日本の定番菓子であっても申告漏れがあれば高額な罰金(オーストラリアでは数千豪ドルの即時罰金やビザ取り消しリスク)が科される場合があります。
- コンソメ味・チキン味・ビーフ味のポテトチップス(原材料名に「チキンエキス」「ビーフパウダー」等の表記があるもの)
- 肉エキスや動物性油脂を使用した米菓・せんべい・スナック
- 豚脂(ラード)を含む伝統菓子(ちんすこうなど一部の焼き菓子)
- 乾燥肉が入ったおつまみスナック・サラミチップス
海外渡航時にお菓子を携行する場合は、パッケージ裏面の原材料表示を必ず確認し、少しでも動物性成分が含まれている場合は入国カードの「食品の持ち込み」欄で正直に「YES(申告あり)」にチェックを入れることが自己防衛につながります。税関検査で現物を提示して不合格になればその場で廃棄されるだけで済みますが、未申告で発見された場合は「密輸企図」とみなされ、法的なペナルティの対象となります。