「新調した分波器を取り付けたのに、BSだけが全く映らない」「昨日まで映っていた衛星放送が突然消えた」というトラブル取材を進めると、故障ではなく人為的な接続エラーが圧倒的多数を占めている事実が浮かび上がります。特に代表的な要因として挙げられるのが分波器 逆接続の症状です。
分波器から出ている2本の出力ケーブルには、それぞれ「VHF/UHF(地デジ)」と「BS/CS」の表記があります。これを誤ってテレビ側の逆の端子に差し込んでしまうと、地デジ端子には高周波のBS電波が、BS端子には低周波の地デジ電波が入力されます。テレビ側のチューナーは指定された周波数帯の信号しか復調できない設計になっているため、結果として「E202:信号を受信できません」というエラーコードが表示され、完全にブラックアウトします。
もうひとつの見落としがちな要因が、分波器でBSが映らない原因の筆頭である「アンテナへの電源供給(通電)遮断」です。戸建て住宅などでベランダに個別設置したパラボラアンテナは、テレビ本体から同軸ケーブルを通じてDC15V前後の電源を受け取って稼働しています。分波器のBS出力端子は通常「電流通過型(通電端子)」になっていますが、誤って地デジ側に通電非対応の配線を噛ませたり、テレビの設定メニューで「BSアンテナ電源」が「切」になっていたりすると、アンテナのコンバーターが動作せず電波が途絶えてしまいます。