分割相続とは何から始める?4大手法の落とし穴と解決策を徹底検証

分割相続とは何から始める?4大手法の落とし穴と解決策を徹底検証

分割相続とは何から始める?4大手法の落とし穴と解決策を徹底検証とは一体何なのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

最高裁判所が公表する「司法統計年報」によると、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件の件数は高止まりを続けており、年間1万数千件に及びます。注目すべきは、その遺産規模の内訳です。遺産総額5,000万円以下の案件が全体の約75%、さらに1,000万円以下の案件が約33%を占めています。「大富豪の資産家だけが揉める」というのは完全な誤解であり、遺産の大部分が「自宅不動産のみ」という中流一般家庭こそが、最も熾烈な争いに見舞われています。

取材現場で浮かび上がった典型的な不動産相続のトラブル事例を紹介します。都内在住の70代女性(被相続人)が他界し、相続人は同居して最期まで身の回りの世話をしていた長男と、郊外で所帯を持ち独立していた次男の2名でした。遺産は評価額3,500万円の一軒家と、わずか300万円の預貯金。長男は「母と同居して介護を担ってきたのだから実家は自分が継ぎ、預貯金を折半したい」と主張しました。これに対し次男は「介護は親族間の扶養義務の範囲。法律通りの権利として、自宅を売却するか、持分に相当する1,900万円の現金を代償金として支払ってほしい」と一歩も譲りませんでした。

ネット上の相談掲示板やSNS上でも、「実家を出た兄弟から突然内容証明郵便が届き、立ち退きか現金を要求された」「生前は親の介護にノータッチだった妹が、相続が発生した途端に弁護士を立てて権利を主張してきた」といった生々しい告白が溢れています。当事者の手記には「親の死を悲しむ暇もなく、兄弟の顔が金銭を要求する債権者に見えて精神的に追い詰められた」という悲痛な叫びが綴られています。

話し合いが完全に暗礁に乗り上げた場合、最終手段として家庭裁判所を介した解決を図ることになります。ここで知っておくべきが遺産分割調停の費用と流れです。調停を申し立てる際の実費自体は、被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用の予納郵便切手(数千円程度)と極めて低廉です。しかし、弁護士に依頼する場合は着手金で30万〜50万円程度、最終的に獲得した経済的利益に対して4%〜16%程度の報酬金が発生します。

調停の手続きは、裁判官と民間の調停委員2名(男女各1名)で構成される調停委員会が間に入り、当事者が交互に調停室に入って主張を述べます。相手方と直接顔を合わせずに済む配慮はなされるものの、期日は約1〜2ヶ月に1回しか開かれません。解決までに平均して1年から2年以上の歳月を要することも珍しくなく、長期化に伴う精神的・経済的疲弊は計り知れません。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。